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顔面神経麻痺の治療で抗ウイルス薬としても投与されているアシクロビル

2020年03月06日

人間の顔には多くの神経がありますが、これらの神経は脳から側頭部を通って耳の下から顔に繋がっています。これらの神経のおかげで顔の筋肉を動かして表情を変えたり、会話をすることができます。脳から顔に至る顔面神経のどこかで障害が発生すると、顔面神経が正常に機能しなくなる顔面神経麻痺を発症します。顔面神経麻痺を発症すると、味覚障害・涙分泌障害・表情運動障害などが起こります。

顔面神経麻痺を起こす原因はいくつかあり、中枢性麻痺・末梢性麻痺・ラムゼイ・ハント症候群などが知られています。外傷で顔面神経が損傷することで、顔面神経麻痺を起こすケースもあります。脳腫瘍や脳血管麻痺を発症すると、脳内にある顔面神経につながっている神経が障害を受けて中枢性麻痺を起こします。ラムゼイ・ハント症候群は、腫瘍や外傷ではなく、ヘルペスウイルスに感染して起こる炎症が原因で顔面神経の障害が起こるものです。ヘルペスウイルスが原因で炎症を発症した場合はステロイド剤(消炎剤)に加えて、病原体の増殖を抑えるための抗ウイルス薬も投与されます。

ラムゼイ・ハント症候群を発症すると顔面神経麻痺だけでなく、耳や口の中に湿疹や水ぶくれなどができて強い痛みの症状が出る場合があります。単純ヘルペスウイルスが増殖をすることで神経障害や湿疹・水ぶくれが起こるので、これらの症状の治療のためにアシクロビルが投与されます。

ヘルペスウイルスが原因で起こるラムゼイ・ハント症候群の治療方法ですが、消炎剤(ステロイド)と抗ウイルス薬(アシクロビル)で炎症を抑えます。炎症の治療と同時に、循環改善剤やビタミン剤を投与することで免疫力を高めます。

1980年代にアシクロビルを含む治療薬が実用化される前は、ヘルペスウイルスの増殖を抑える手段がありませんでした。抗ウイルス薬がない時代には、体の免疫力が回復して病原体を攻撃するまで待つしかありませんでした。アシクロビルを含む治療薬が開発されたおかげで、ウイルス性の顔面神経麻痺に対して有効な治療を行うことができるようになりました。

ゾビラックス(アシクロビル)は性器ヘルペスや帯状疱疹のための治療薬と思われがちですが、単純ヘルペスウイルスが原因で発症する他の病気に対しても高い治療効果を発揮します。現在は性器ヘルペスや帯状疱疹の治療のために別の薬が処方される場合が多いですが、アシクロビルは単純ヘルペスウイルスが原因で発症する病気の治療に多く用いられています。

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